松山政治思想研究会

政治学や隣接分野(哲学、歴史など)を不定期で学ぶ学生の勉強会。

引き続き春休み研究会を実施中

 春休み期間中に隔日で開く政治・思想研究会。先日、第二回目を実施しました。今回はマルクス主義の政治理論についての論文を講読しました。

 議論の焦点になったのは、いわゆるポピュリズムや大衆民主主義と呼ばれる最近の政治情勢でした。論文では、共産主義の立役者であるマルクスが生きた19世紀とは違い、多数の民衆が政治参加・社会参加を進めるようになった20世紀前半でのマルクス主義者の議論が紹介されていましたが、彼らは無秩序に行動する人びとのエネルギーを、いかに革命へと転化させていくのかに頭を悩ませていたようです。

 エリートやインテリの「思い通り」にいかない大衆の政治行動の奔放さは、ある意味で現在のイギリスEU離脱やアメリカのトランプ現象に通じるものがあります。街頭やインターネットで多種多様な人びとが差別・排外主義に明け暮れているように、日本の「右傾化」を支えているのも、政治の大衆化といえるのではないでしょうか。

 こうした「普通の市民」に見られる政治意識や生活感情、倫理観への関心からか、研究会では漫画やアニメ、ゲームなどのポップカルチャーが多数引き合いに出されました。この作業は不完全燃焼に終わりましたが、第三回以降の研究会でも引き続き取り組むことになりそうです。

 現段階で研究会への参加を考えておられる人にお知らせしたいのは、以上の運営方針の若干の変更についてのみです。つまり、政治思想の研究論文に限らず、好きな小説を書評したり、気になる映画を観ながら批評したりなど、サブカルチャー全般も今後は主要な検討対象の候補となります。とくにあらかじめ決まった作品のみ取り上げて終わらせることはしませんので、個人的に興味のある娯楽・創作があれば、実際の話し合いで色々紹介していただけたら、盛り上がると思います。

 

 参加希望者は、ツイッターのダイレクトメールで話しかけていただくか、メールアドレス(exnihilo1984@gmail.com)までご一報ください。